結婚式の挨拶やスピーチの場面では、言葉選びが難しく感じることがありますよね。特に、避けるべき表現が多いと迷うものです。
例えば、結婚式や葬儀では、縁起が良くないとされる「忌み言葉」や、繰り返しを連想させる「重ね言葉」を避けるのが一般的です。
では、「共々」という表現はこれらの「重ね言葉」に該当するのでしょうか?
また、目上の人に使う場合には問題がないのでしょうか?
使い方を誤ってしまうと、マナーに反すると捉えられることもあるため、注意が必要ですよね。
そこで今回は、「共々」の意味や正しい使い方について、特に目上の人への使用や謝辞での適切さを詳しく解説します!
「共々」の意味とその使い方
「共々(ともども)」とは、「一緒に何かを行う様子や、同じ状態であること」を表す言葉です。辞書では、「ともに」「そろって」などの意味として説明されています。
この表現は、スピーチや手紙、メールなどの中で、「夫婦そろって」や「公私にわたって」という意図で、「夫婦共々」や「公私共々」といった形でよく用いられます。
「共々」を目上の人に使うのは適切?
「共々」を目上の方に使うことは適切でしょうか?
結論としては、目上の方を指す際には避けた方が良いとされています。目上の方に対してこの表現を用いると、失礼にあたると受け取られることがあるためです。
このため、「共々」という言葉は主に身近な人に対して使用するのが無難でしょう。例えば、「御家族の皆様共々お体を大切に」という表現には少し違和感を覚えるかもしれません。
代わりに、「ご家族様におかれましては」や「ご家族の皆様方におかれましては」といった表現を使うと、より丁寧な印象を与えるでしょう。
言葉遣いには十分注意を払いましょう。
「共々」は謝辞で使えるのか?
結婚式や葬儀などの挨拶では、避けるべき表現として「重ね言葉」がよく挙げられます。
これは、一生に一度の特別な場面であるため、繰り返しを連想させる言葉がマナー違反とされるためです。
では、「共々」という表現はどうでしょうか?
調べたところ、「共々」は使用しても問題ないとされています。
たとえば、「○○(配偶者の名前)共々よろしくお願いいたします」というフレーズは、謝辞の中でよく見られ、特に問題視されることはありません。
ただし、気になる方がいる場合には、「○○共々」を「私ども」や「私たち二人」といった表現に置き換えることもできます。
結婚式などでは、他の「忌み言葉」とされる表現を避けることが一般的です。
たとえば、「ケーキを切る」という言い方ではなく、「ケーキにナイフを入れる」と言い換えるのが礼儀とされています。
以下は「忌み言葉」の具体例です。
重ね言葉
かえすがえす、かさねがさね、またまた、たびたび、わざわざ、くれぐれも、皆々さま、ますます、いろいろ、どんどん、もともと、次々、しみじみ
繰り返しを連想させる表現
重ねて、再度、もう一度
不吉な意味を持つ言葉
滅ぶ、裂く、負ける、苦しい、嫌う、悲しむ、衰える、別れる、壊れる、切る、戻る、やめる
地域や世代によって、特に厳しいしきたりがある場合には注意が必要です。
ただし、形式にこだわりすぎて不自然になるのも良くありません。
言葉選びは大切ですが、最終的には気持ちが伝わることが重要です。
「共々」の使用例
- たくさんの温かいお言葉や励ましをいただき、○○共々、心より感謝申し上げます。
- 多くの皆様にお越しいただき、○○共々、深く感激しております。
- これからも夫婦共々どうぞよろしくお願い申し上げます。
- 引き続き、親子共々お力添えいただけますと幸いです。
- 家内共々、心よりお礼申し上げます。
- 家族共々、どうぞよろしくお願いいたします。
- 夫婦共々、家族ぐるみでの交流をこれからもよろしくお願いいたします。
まとめ
言葉選びが重要な結婚式や葬儀のスピーチでは、「共々」のような表現を適切に使うことが大切です。
特に、マナーに気を付ける場面では「忌み言葉」や「重ね言葉」を避ける一方で、気持ちを伝えるために言葉を工夫する必要があります。
「共々」という言葉は、基本的に身近な相手に対して使うのが無難であり、目上の方を指す場合には丁寧な言い回しに置き換えると良いでしょう。
また、結婚式の謝辞などでは、「共々」は一般的に許容されている表現ですが、場合によっては言い換えを検討するのも一つの方法です。
最も大切なのは、形式にとらわれすぎず、心のこもった言葉で感謝や想いを伝えること。この記事が、あなたのスピーチや挨拶をより良いものにする参考になれば幸いです。
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