突然ですが、「全然大丈夫です」という表現について、どのように感じますか?
主に若者の間でよく使われる言葉ですよね。
テレビ番組などでも耳にする機会が多いのではないでしょうか。
一般的に使用されている一方で、この「全然大丈夫」が日本語として誤りだと指摘されることもあります。
たとえば、「やばい」や「〇〇的には」といった若者言葉と同じく、日本語の乱れの一例として話題になることがあります。
では、「全然大丈夫」は実際に誤った使い方なのでしょうか?
もし置き換えるとしたら、どのような表現が適切なのでしょうか?
少し気になるポイントですね。
今回は、「全然大丈夫」という表現が正しいのか、またその代わりにどのような言葉を使えば良いのかを解説します!
「全然」の意味について
「全然大丈夫」が正しいのか、それとも誤りなのかを考える前に、「全然」という言葉自体の意味を整理してみましょう。
「全然」には、「(否定的な表現を伴って)完全に」「全く」という意味があります。また、もう一つの使い方として、「すっかり」「全面的に」という意味でも使われます。
つまり、「全然」には2つの異なる用法があるのです。
1つ目は「全然……ない」という形で、「全く……ではない」を表します。
2つ目は「全然……である」という形で、「全面的に……である」を意味します。
【例文】
- 今日のテスト、全然わからなかった。(完全にわからなかった)
- その意見に私も全然賛成です。(全面的に賛成です)
「全然大丈夫」は正しい?
「全然大丈夫」という表現は、「全然」の二つ目の意味で用いられています。この「全然+肯定的な表現」の使い方は、三省堂や岩波といった主要な国語辞典にも記載されているため、厳密には誤用とは言い切れません。
しかし、「全然同意します」といった例文を耳にした際に、違和感を覚える人も多いのではないでしょうか。
手元にあった小学生向け国語辞典を調べてみると、「全然」は「まったく」や「まるで」という意味を持ち、「全然知らない」といった否定表現を伴う使い方が紹介されています。学校では、「全然」は否定の言葉とセットで用いると教えられるのが一般的なようです。
歴史を振り返ると、「全然+肯定」の使い方は明治時代には広く使われていたものの、戦後の日本語では「全然+否定」が主流となっています。
現在では、「全然+肯定」は俗語として扱われ、入試や資格試験では誤りとして指摘されることが多いようです。
こうした背景を踏まえると、「全然大丈夫」という表現は、文法的には正しくとも、誤用と見なされやすい用法であると言えそうです。
まとめ
「全然大丈夫」という表現は、文法的に完全に誤りとは言い切れませんが、現代では間違いに近い用法とされています。そのため、ビジネスの場や、親しい間柄でない相手との会話では使用を控えるのが無難です。
「全然」は「否定の意味を伴う言葉」と覚えておくと分かりやすいでしょう。この表現が習慣になっている方にとっては、言い換えに慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんが、練習しておく価値はあります。適切な言葉遣いを身につけることで、相手に良い印象を与えられるようになります。
特にフォーマルな場では、敬語を正しく使い、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。読んでいただき、ありがとうございました!
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