「お電話差し上げます」の使い方の注意点:目上の人に対する敬語として問題はない?

言葉の使い方

電話対応は社会人にとって初めての大きな挑戦の一つです。会社では、上司や取引先、お客様などさまざまな人から電話がかかってきます。

そのため、いつでも気が休まる暇がないことが多いですよね。新入社員の頃、電話が鳴るたびに慌ててしまった経験がある方も多いでしょう。

しかし、時間が経つにつれて、だんだんと落ち着いて対応できるようになります。その中でも、電話対応で特に難しいのは言葉遣いです。電話をかけてきてくれた相手に対して、失礼のないようにするのは大切です。

その中で、「お電話差し上げます」という表現はよく耳にしますが、実はこれには賛否両論があります。今回は「お電話差し上げます」の正しい使い方と、目上の人に使う際のポイントについてお話しします。

「お電話差し上げます」は敬語として正しい?間違い?

「お電話差し上げます」は正しい敬語かどうかについてですが、結論として、この表現は謙譲語であり、間違った敬語ではありません。

では、この言い回しはどのような場面で使用されるのでしょうか?

例えば、相手が不在の場合、掛け直すのがマナーです。

このようなシチュエーションでは、「では後ほどお電話差し上げます」や「〇時に改めてお電話差し上げます」といった使い方が一般的です。

【例文】

  • 終わり次第、お電話差し上げますが、いかがでしょうか?
  • 後ほどこちらからお電話差し上げます。
  • 数分後にお電話差し上げます。
  • 採用の場合、明日お電話差し上げます。
  • 折り返しお電話差し上げます。

目上の人に対して使うケース

目上の人に対して「お電話差し上げます」を使うことに関して、敬語としては特に問題はありません。

ただし、最近ではこの表現を好まない方も増えてきているようです。元々「差し上げる」は「与える」や「やる」といった謙譲語であり、目上の人に使っても適切です。

しかし、言葉の中の「あげる」には、相手に何かを与えるというニュアンスがあり、特に電話のような場面では、相手に物理的なメリットを与えるわけではないため、少し違和感を覚えることもあります。

実際、「贈り物を差し上げる」という表現は自然ですが、電話の際には少し上から目線に感じられることもあるかもしれません。

とはいえ、電話マニュアルなどでも「お電話差し上げます」が正しい敬語として紹介されていますので、基本的には目上の方に対して使っても問題ありません。

使うことに違和感を感じる場合は、「お電話させていただきます」や「ご連絡いたします」といった表現に変えるのが適切でしょう。

【類語】

  • お電話させていただければと存じます。
  • お電話いたします。
  • お電話させていただきます。
  • こちらからおかけいたします。
  • 折り返しご連絡いたします。

まとめ

「お電話差し上げます」は正しい敬語ではありますが、目上の人に使う場合は少し違和感を感じることもあります。

そのため、相手により丁寧な印象を与えるためには、「お電話させていただきます」や「ご連絡いたします」といった表現を使用するのが良いでしょう。

社会人として、マニュアルだけではなく、実際に職場で使われている生きた敬語を学ぶことが重要です。

また、電話対応では言葉遣いと同様に、声のトーンや大きさも印象に大きく影響します。

明るく、はっきりとした声で対応することを意識することが、相手に対して良い印象を与えるコツです。これらを意識して、電話対応のスキルを磨いていきましょう。

 

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