「しかつめらしい」という言葉は、日常会話ではあまり使われないかもしれませんが、堅苦しくて形式的な態度や真面目で緊張した表情を表す際に使われる形容詞です。
古語に由来し、当初は「当然そのようである」といった意味を持っていましたが、次第に「いかにももっともらしい」「堅苦しく真面目な」といった意味へと変化しました。
この記事では、「しかつめらしい」の意味やその語源、使用時に気をつけるべきポイント、さらに似た意味を持つ言葉(類語)についても詳しく解説します。
この言葉を使いこなすことで、日常のコミュニケーションがより豊かになることでしょう。
「しかつめらしい」の意味とは?
「しかつめらしい」は、堅苦しくて形式的な態度や、真面目で緊張した表情・様子を示す形容詞です。
この言葉は古語に由来し、もともとは「当然そのようである」という意味から、次第に「いかにももっともらしい」「堅苦しく真面目な」という意味へと変化したとされています。
また、「しかつめらしい」を漢字で「鹿爪らしい」と表記することがありますが、これはあて字であり、漢字の意味とは関係ありません。
「しかつめらしい」の語源について
「しかつめらしい」の語源は、「当然そのようである」という意味の「しかありつべくあるらし」から来ています。
この言葉を品詞分解すると、以下のようになります:
「しか(副詞:そのように)・あり(動詞:あり)・つ(強調・完了の助動詞)・べく(推量の助動詞)・ある(動詞:あり)・らし(推定の助動詞)」。
その後、「しかつべらし」や「しかつめらし」などの形に変化し、最終的に「しかつめらしい」として使われるようになったとされています。
「しかつめらしい」の使用時に気をつけたい点と、「しかめっつら」との違い
「しかつめらしい」の使い方には、注意すべき点が2つあります。
(1)「しかめっつら」と混同しない
「しかつめらしい」と「しかめっつら(顰めっ面)」は、見た目が似ているものの、意味も語源も異なります。
「しかつめらしい」は、堅苦しく形式的な様子を表す形容詞である一方、「しかめっつら」「しかめつら」は、眉をひそめた不機嫌な表情を意味する名詞です。
これらを間違えて使わないようにしましょう。
(2)「まじめ」とのニュアンスの違い
「しかつめらしい」は単なる「まじめ」な態度を指すものではありません。
むしろ、TPOに合わせて形式的に振る舞う様子や、まじめを装っている様子に使われることが多いです。
そのため、真正面からの「まじめ」な態度を褒める場面では適切ではありません。
「しかつめらしい」の類語とその言い換え例
“しかつめらしい”と似た意味を持つ表現をいくつか紹介します。
(1)「堅苦しい」
「堅苦しい」は、形式的で窮屈な様子を指します。これも「しかつめらしい」の意味に近いです。
【例文】
- 堅苦しい挨拶は省略して、早速本題に入りましょう。
(2)「形式ばる」
「形式ばる」は、内容よりも外見や形式に重点を置くことを指します。
【例文】
- もっと形式ばらずに、気軽に話してみてください。
(3)「四角四面」
「四角四面」は、堅苦しく、柔軟さがないことを意味します。
【例文】
- 問い合わせたが、四角四面の返答しかもらえなかった。
(4)「生真面目」
「生真面目」は、融通がきかないほど真面目な様子を表します。
【例文】
- 暑い日でも、生真面目な彼はジャケットを着て仕事に出かけた。
(5)「しゃちほこばる」
「しゃちほこばる」は、緊張して体を硬くすることを意味します。
【例文】
- そんなにしゃちほこばらずに、リラックスしてください。
以上のように、「しかつめらしい」はさまざまな表現に言い換えられますが、使う場面によって最適な言葉を選ぶことが重要です。
まとめ
「しかつめらしい」は、堅苦しくて形式的な態度や真面目で緊張した様子を指す形容詞です。
語源は古語に由来し、当初は「当然そのようである」という意味から、現在の意味へと変化しました。漢字で「鹿爪らしい」と書かれることもありますが、これはあて字であり、言葉の意味とは関係がありません。
使用時の注意点として、「しかつめらしい」と「しかめっつら」を混同しないようにすること、そして「まじめ」とのニュアンスの違いにも気をつける必要があります。
また、類語として「堅苦しい」「形式ばる」「四角四面」「生真面目」「しゃちほこばる」などがあり、場面に応じて適切な表現を選ぶことが大切です。
この言葉の意味や使い方を理解し、場にふさわしい言葉を使うことで、より円滑なコミュニケーションが可能となるでしょう。
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