「ご足労いただき」という言葉をご存知ですか?
学生時代にはあまり使う機会が少ないため、使いどころが分からないという方も多いかもしれません。
しかし、社会人になると、この表現を耳にする場面が増えるでしょう。
大人として、正しい意味や使い方を理解しておくことが重要な言葉です。
今回は「ご足労いただき」の意味や使い方について詳しくご紹介します!
「ご足労いただき」の意味について
「ご足労」という言葉は、「足を労わる」または「足を働かせる」といった意味があります。
つまり、直訳すると「足を動かす」、転じて「足を運んでいただく」という意味になります。
その上で「ご足労いただき」という表現が敬語として使われており、相手に対する感謝を込めて「わざわざ来ていただき、ありがとうございます」という意味になります。
「ご足労いただき」の使い方
この表現は、相手が自分のオフィスや指定した場所に足を運んでくれたときに使います。
感謝を表すため、「ご足労いただき」の後に「ありがとうございます」などの感謝の言葉を添えることが一般的です。
例えば、相手が到着した際には「ご足労いただきありがとうございます」と言い、会話の終わりには「ご足労いただきまして、ありがとうございました」と締めくくることもあります。
また、「いただき」の代わりに「くださり」を使うこともあります。
【例文】
- お足元の悪い中、ご足労いただき、心より感謝申し上げます。
- 先日は弊社までお越しいただき、誠にありがとうございました。
- 本日はご足労くださり、深く感謝いたします。
類似する表現
「ご足労いただき」に似た表現として、「ご足労おかけして」というフレーズもよく使われます。
一見、意味が似ているため混同しやすいですが、実際には使い方に違いがあります。
「ご足労いただき」は感謝を伝える表現で、その後に「ありがとうございます」などを続けることが一般的です。
一方、「ご足労おかけして」には「おかけする」という語が含まれており、こちらは相手に迷惑や手間をかけたことに対する申し訳なさや恐縮を表すニュアンスが強い言い回しです。
そのため、「ご足労おかけしてありがとうございます」ではなく、「ご足労おかけして申し訳ございません」「ご足労おかけして恐縮です」といった形で使うのが適切です。
「ご足労いただき」の感謝の意味合いに対し、「ご足労おかけして」は相手に不便をかけていることに対する謝意や恐縮の気持ちを込めて使います。
間違った使い方
「ご足労いただき」や「ご足労おかけして」は、相手がわざわざ足を運んでくれる場合に使う表現です。
そのため、相手に「ご足労をお願いする」という形で使うのは不適切です。
【誤用例】
- ご足労いただきますようお願い申し上げます
- ご足労お待ちしております
- ぜひご足労くださいませ
このように使うと、相手に失礼にあたります。
あくまでも「わざわざ来ていただいてありがとうございます」という感謝の気持ちを表すことを忘れないようにしましょう。
目上の人に使えるか?
「ご足労いただき」は敬意を表す表現なので、目上の方に使う際には問題ありません。
慣れていないうちは「お越しいただきありがとうございます」と言い換えても構いませんが、「ご足労いただき」は相手に対する敬意を示す便利な表現ですので、積極的に使っていきたいフレーズです。
また、社外の方だけでなく、自分の上司に対しても使うことができます。
ただし、社外の人前で使うと自分の身内に対して敬意を表しているように受け取られることがあるため、使う場面には注意が必要です。
なお、部下や後輩など目下の人に使うのは、あまりにも丁寧すぎるため不適切です。
まとめ
「ご足労いただき」という表現は、相手がわざわざ自分のもとに足を運んでくれたことへの感謝を表す丁寧な言い回しです。
この言葉を使うことで、相手に対する敬意や感謝の気持ちを伝えることができます。特にビジネスシーンでは、相手がオフィスに訪れた際などに使うことが多いでしょう。
ただし、「ご足労いただき」と「ご足労おかけして」の違いには注意が必要です。「ご足労いただき」は感謝の気持ちを込めた表現ですが、「ご足労おかけして」は恐縮や謝意を伝える言い回しです。
この違いをしっかり理解して使い分けることが大切です。
また、目上の人に対しても問題なく使える表現ですが、部下や後輩には少し過剰な敬語になってしまうため、使い方に注意が必要です。
日常的に使う機会が少ないかもしれませんが、「ご足労いただき」を上手に使うことで、ビジネスでの礼儀をしっかりと守り、相手との関係をより良いものにすることができます。
ぜひこの言葉を覚えて、実際の場面で活用してみてください。
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