「よろしかったでしょうか」は正しいのか、それとも間違っているのか?【適切な敬語の使い方】

言葉の使い方

仕事をする上で敬語を使うのは当然のことですよね。
でも、知らず知らずのうちに覚えてしまった敬語表現ってありませんか?

その中で特に耳にする機会が多いのが「よろしかったでしょうか」というフレーズです。
職場や日常で自然と使ってしまうこともあり、周囲の人もよく使っているのではないでしょうか。

しかし、この表現が間違いだと指摘されることも少なくありません。
一方で、正しい使い方だと主張する意見もあるのが現実です。

果たしてどちらが正しいのか、悩んでしまいますよね。

今回は「よろしかったでしょうか」の適切な使い方について、詳しく解説します!

「よろしかったでしょうか」は正しくない!

結論として、「よろしかったでしょうか」や「よろしかったですか」といった表現は不適切な敬語といえます。

正しくは「よろしいですか」と尋ねるべきです。

その理由は、現在の状況やこれからのことについて聞く場面で、過去形を用いるのが不自然であるためです。

また、このような表現を使うと、相手に押しつけがましい印象を与えることもあります。

「丁寧な表現だ」と思ってつい使ってしまいがちですが、誤った敬語なので注意が必要です。

実は正しい敬語の方が、シンプルでわかりやすいものが多いのです。

【言い換え例】

  • 「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」 → 「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
  • 「今お時間少々よろしかったでしょうか?」 → 「今お時間少々よろしいでしょうか?」
  • 「カード払いでよろしかったでしょうか?」 → 「カード払いでよろしいでしょうか?」

「よろしかったでしょうか」が適切な場合もある?

「よろしかったでしょうか」が適切とされるのは、過去の出来事について確認する場面です。

たとえば、以前に会議の準備について話し合いをしていて、「次回の会議の準備をよろしく」と言われた後、「参加人数は10名でよろしかったでしょうか?」と確認する場合などが挙げられます。

このようなケースでは、過去の内容を再確認するという意図が明確であるため、問題ないとされています。

一方で、特に事前の話し合いがない状態でこの表現を使うと、「それが当然のことだ」と暗に押しつけているように受け取られ、不快感を与える可能性があります。

そのため、使用する場面をよく考え、適切に使い分けることが大切です。

アルバイト敬語に気を付けよう

敬語は相手に敬意を伝えるための言葉遣いですが、使い方を誤ると不快感を与えることもあります。その一例が「アルバイト敬語」です。

「よろしかったでしょうか」も、アルバイト敬語の一つとして広く使われるようになりました。これは、敬語に慣れていない店員が使いやすいように企業が作成したマニュアルに由来しており、「マニュアル敬語」とも呼ばれています。

学校で学んだものではないにもかかわらず、この表現は日常生活の中で身近なものとなっています。

相手に柔らかい印象を与えることを目的として使われることも多いですが、正しい敬語とはいえず、聞く側に違和感を与える場合があります。

特に職場などのフォーマルな場面では誤って使わないよう、注意が必要です。

【使用例の改善】

  • 「荷物のほう、お届けしました」 → 「荷物をお届けしました。」
  • 「こちら、パスタになります。」 → 「こちら、パスタでございます。」
  • 「2000円からお預かりします。」 → 「2000円お預かりいたします。」

正しい表現を身に付け、適切に言い換えられるよう心掛けましょう。

また、最近では「~させていただく」の過剰使用も問題視されています。この表現は本来、相手の許可を得て行う行為に対して使うものです。それ以外の場面で多用すると、過度に謙遜した印象を与える恐れがあるため、注意が必要です。

まとめ

敬語は仕事や日常生活で欠かせないコミュニケーションツールですが、その使い方を間違えると意図せず相手に不快感を与えることがあります。「よろしかったでしょうか」という表現は、日常的に耳にする機会が多い一方で、誤用されやすい敬語の一例です。

このフレーズが正しくない場合や正しい場面について学び、使用シーンを適切に判断することが大切です。また、「アルバイト敬語」や「~させていただく」の乱用など、他にも気を付けるべき敬語のポイントがあります。これらを意識することで、相手に好印象を与えるスムーズなコミュニケーションを実現できます。

正しい敬語を習得し、場に応じた使い分けを心掛けることで、より信頼される言葉遣いを身に付けていきましょう。この記事を参考に、ぜひ日々の言葉遣いを見直してみてください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました