「略儀ながら書中・メールにて」という言葉をご存知ですか?
ビジネスにおける手紙やメールでは、よく使われる表現です。普段何気なく読み流してしまうような挨拶文でも、よく見てみると「略儀ながら書中にてご挨拶申し上げます」と書かれていることがあります。
「略儀ながら書中・メールにて」は、文章の締めの部分に使われることが多いフレーズです。その意味について、あなたはご存じでしょうか?
普段あまり耳にしない表現かもしれませんが、言葉の背景を理解すれば、丁寧で礼儀正しいメールや書状を書くことができますよ。
この記事では、「略儀ながら書中・メールにて」の意味や使用方法について、詳しく解説していきます!
「略儀ながら書中・メールにて」の意味について
まず「略儀」とは、正式な手続きや方法を省略する、簡略化した方法を指します。「ながら」は、「~しながら」という意味ではなく、「~ではあるが」や「~にもかかわらず」という意味で、矛盾する二つの事柄をつなぐ表現です。
そのため、「略儀ながら書中・メールにて」とは、正式ではないものの手紙やメールで伝えるという意味になります。
簡単に言うと、「直接お会いしてお伝えすべきことではありますが、あえて手紙(メール)で伝えさせていただきます」という意味です。
「略儀ながら書中・メールにて」の使い方と実例
「略儀ながら書中・メールにて」は、「本来なら直接お会いして伝えるべきことですが、今回は手紙やメールでお伝えする」という意味です。
ただし、これはあくまで慣用表現であり、「後で直接会って伝える」といった意味ではないことを覚えておきましょう。直接会う予定がなくても問題なく使用できます。
この表現は、手紙やメールの結びの言葉として使用されます。「略儀ながら書中・メールにて」の後には、状況に応じた言葉を加えて締めくくります。
また、「書中・メールにて」の前に「まずは」を付けたり、「にて」の代わりに「をもって」や「をもちまして」を使うことも可能です。
【例文】
- 略儀ながら書中にてご挨拶申し上げます。
- 略儀ながらメールにて御礼申し上げます。
- 略儀ながら、まずは書中にて御礼かたがたご挨拶申し上げます。
- 略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます。
「略儀ながら書中・メールにて」は、手紙やメールの最後に使う表現です。この言い回しを使った後に、長々と別の内容を続けないように気をつけましょう。
例えば、「略儀ながら書中にて御礼申し上げます」の後に余計な話を続けるのは避けるべきです。
「略儀ながら書中・メールにて」の類義語とその使用例
「略儀ながら書中・メールにて」に似た表現として、いくつかの言葉があります。
「失礼」「非礼」「不躾」などは、どれも礼儀に欠けるという意味で「略儀」と同じように使用できます。ただし、「失礼」「不躾」などは強い印象を与えるため、フォーマルな文書では「略儀」の方が一般的に使われます。
また、「取り急ぎ」や「まずは」も、「とりあえず」といった意味で「略儀ながら」と同様に用いられることがあります。ただし、これらは少しカジュアルな印象を与えるため、特に「取り急ぎ」は急いでいる場面に限定して使う方が適切です。
【例文】
- 失礼とは存じますが、まずはメールにてご挨拶申し上げます。
- 不躾ながら、まずは書中にて御礼申し上げます。
- 取り急ぎ書中にてご報告申し上げます。
- まずはメールにて御礼かたがたご挨拶申し上げます。
お詫びの際にも使えるか?
「略儀ながら書中・メールにて」は、正式な方法を省略して手紙やメールで伝えるという意味ですが、お詫びのような礼儀を特に重んじる場面で使用しても良いか迷うことがありますよね。
結論として、お詫びの際にも「略儀ながら」を使うことは問題ありません。もちろん、お詫びは本来、直接伝えるべきものですが、相手とすぐに会えるとは限りません。やむを得ず直接お詫びができない場合には、「略儀ながら」を使っても大丈夫です。
「略儀ながら書中・メールにて」と書くことで、「本来は直接お詫びすべきですが、すぐにはお会いできないため、失礼ながら手紙やメールでお伝えします」といった意味を表現できるので、失礼にはなりません。
お詫びの際は、特に丁寧に伝えたいものですよね。「略儀ながら書中・メールにて」の前に「甚だ」を付けたり、「略儀ではございますが」といった言い回しを加えると、より丁寧な印象を与えることができます。
【例文】
- 甚だ略儀ながら、書中をもってお詫び申し上げます。
- 略儀ではございますが、書中にてお詫び申し上げます。
- 甚だ略儀ではございますが、まずはメールをもってお詫び申し上げます。
まとめ
「略儀ながら書中・メールにて」の意味や使い方について、理解が深まったでしょうか?この表現は、ビジネスシーンでの手紙やメールにおいて、正式な手続きや方法を省略して、手紙やメールで伝えることを意味します。
特に、直接会うことができない場合でも、礼儀を欠かさずに伝えたい気持ちを表現できる便利なフレーズです。
「略儀ながら書中・メールにて」は、結びの言葉として使うことで、相手に対して丁寧で信頼感を与えることができます。
使い方を覚え、ビジネス文書をより一層フォーマルで礼儀正しいものにするために活用してみてください。
お詫びの際にも使えることがわかり、より効果的なコミュニケーションが可能になることでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
コメント