ビジネスの場面や日常会話において、「しかし」という言葉は非常に頻繁に使われますが、そのまま使うだけでは堅苦しく感じられることがあります。
状況に応じた言い換え表現を知っておくことで、より柔軟で円滑なコミュニケーションを実現できます。
本記事では、「しかし」の意味と、さまざまな言い換え表現を紹介し、どのような場面でどの表現を使うべきかを考えていきます。
正しい使い方をマスターすることで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。
「しかし」という言葉の意味
「しかし」は、前述の内容に対して反対のことを述べる際に使われる接続詞です。また、逆接だけでなく、話題を変えるときにも使われることがあります。
例えば、「しかし、今日は天気が良いですね」のように、話題を切り替える役割も果たします。
「しかし」を別の言葉に言い換えて表現すべき場面とは？
「しかし」は、書き言葉でも話し言葉でも使用可能ですが、会話では少し堅苦しく感じられることがあります。言い換えた方が良い状況としては、以下のようなケースが考えられます。
（1）相手の意見に反論する場面
相手の意見に反対する際に「しかし」を使うと、場合によっては相手の意見を一方的に否定しているような印象を与えることがあります。特に目上の人に対して反論する際は、慎重に言い換えたほうが良いでしょう。
【注意すべき表現】
上司A「今回、このプランを採用しようと考えているんだ。どう思う？」 部下B「そのプランにはいくつかリスクがあります。再考していただけませんか？」
（2）メールや手紙で逆接が続くとき
「しかし」はビジネスメールやプレゼンテーションでも使われますが、使いすぎると単調に感じられることがあります。言い換え表現を適切に使うことで、よりバランスの取れた文章になります。
【注意すべき表現】
「本日は会議を予定していました。しかし、延期になりました。しかし、まだ新しい日程は決まっていません」
相手と違う意見を伝える際の「しかし」の別の表現
異なる意見を述べる際に「しかし」を使う代わりに、相手の意見を受け入れた上で、柔らかく自分の意見を伝えると、円滑な対話が促進されます。
【おっしゃる通りですが】
◆例文：おっしゃる通りですが、その計画には一部修正が必要だと思います。
【確かにそうですが】
◆例文：確かにそうですが、現場の意見とは若干異なる部分もあります。
【ごもっともですが】
◆例文：ごもっともですが、全てを実行に移すにはいくつかの課題があります。
【一方で、こうした見解もあります】
◆例文：良い案だとは思いますが、一方でこうした視点も考慮する必要があるかもしれません。
日常会話で使いやすい「しかし」の言い換え表現
「しかし」は書き言葉ではよく使われますが、日常会話では少し堅苦しく感じることがあります。会話で使いやすい、もっと自然な表現を紹介します。
【それでも】
◆例文：それでも、その数値は最新の状況を反映していません。
【とはいえ】
◆例文：とはいえ、今回の失敗を彼女だけの責任にするのは不適切だと思います。
【だけど】
◆例文：だけど、中途採用者の受け入れ体制がまだ整っていません。
文章で使える「逆接の接続詞」
ビジネスメールなどで「しかし」ばかりを使うのではなく、いくつかの異なる逆接の接続詞を取り入れることが重要です。以下の言い換え表現を覚えておきましょう。
【それにも関わらず】
◆例文：商品を受け取ったものの、それにも関わらず、一部の商品が不足しておりましたのでご報告いたします。
【ただし】
◆例文：彼は入社2年目ですが、ただし、すでに課内で非常に頼りにされています。
【～にもかかわらず】
◆例文：これまで何度もお伝えしてきたにもかかわらず、同じ問題が再発したことを非常に残念に思います。
「反対意見」を伝える際のポイント
議論の場では、時に自分とは異なる意見を述べる必要があります。
意見交換ができる関係性が築かれている場合は、反対意見を交わしながら深い議論を進められることもあります。しかし、すべての相手が意見と人を切り離して受け入れることができるわけではありません。
相手の立場や関係性に応じて、異なる意見の伝え方に工夫を凝らすことが大切です。相手の意見を否定するのではなく、まずはその意見を受け止める言葉を使い、その後に自分の提案や解決策を示すことで、建設的な議論を促すことができます。
まとめ
「しかし」の言い換え表現を活用することで、ビジネスや日常のコミュニケーションが円滑になります。状況に応じた適切な言葉を選ぶことが、対話の質を向上させ、相手との関係をより良いものにするための鍵となります。
例えば、相手の意見に反論する際には、相手の意見を受け止めた上で自分の意見を伝えることが大切です。
また、メールや会話での使い過ぎに注意し、さまざまな逆接の接続詞を使うことで、文章にバランスを持たせることができます。柔軟で適切な言い換え表現を意識することで、より効果的に意見を交換し、良好なコミュニケーションが築けるようになります。
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